2011年12月24日土曜日

We wish you a Merry Christmas

SFっていうと何故だか夏のイメージなんですが、クリスマスにもSFが読みたくなります。
イルミネーションが星を連想させるからでしょうか。
どうせならクリスマスを舞台にしたSFを、と考えて出てきたのは

ハーラン・エリスン『サンタ・クロース対スパイダー』に
ロバート・F・ヤング『サンタ条項』(これはファンタジーかな?)、
コニー・ウィリス『ニュースレター』と『ひいらぎ飾ろう@クリスマス』
. . .あまり思いつきませんでした。

じゃあお気に入りの『ニュースレター』と『ひいらぎ飾ろう@クリスマス』にしよう。

2編とも男女コンビによるドタバタSFコメディ。
でも端々に ”商業主義から生み出されたプレッシャーでクリスマスの精神である善意と寛容、慈悲の心を失ってる現代” に対する皮肉がちらり。
ロマコメとしても最上級なので、それこそハリウッドで映画化してほしいくらいです。

クリスマスの時くらいイライラせずにのんびり星を見上げて思いを馳せたいものですけどね。

2011年12月21日水曜日

月光下騎士団

稲垣足穂『一千一秒物語』の一節から命名されたバンド、ムーンライダーズ。
先月11日満月の日に無期限活動休止宣言を発表し、多くのファンを驚かせた...って、

私もそのうちのひとりですが。

彼らの事を知ってから25年、『居るのが普通』と思い込んでいただけに正直、
どう受け止めたら良いのか戸惑いました。嘘だと言ってよ、って。
そして宣言後に発売されたアルバム『Ciao!』
全ての曲から滲みでる”お別れ”の匂い。でも 嘘でしょ、ね。

そんなもやもやした気持ちのまま17日の中野サンプラザへ。
ロビーや客席での弾き語りから始まったライブ、MCでは活動休止に全く触れないし、

ことさら最後を強調する選曲でもないし感傷的でもない。
ただ、いつものライブより派手な演出(銀テープ・風船・ハートが舞う!)にはしゃぎ、

客席から退場するメンバーを見送った後、ステージ・スクリーンに月と様々な曲から選び出された言葉が
躍るのを見たとき、ああ本当にお別れなんだと悟った。

とても『東京的』な、ライダーズらしいお別れのしかた。
(でもまた会えるでしょ?ね。)

2011年12月11日日曜日

新☆ハヤカワ・SF・シリーズ

秋葉原で開催された〈新☆ハヤカワ・SF・シリーズ〉創刊&大森望『21世紀SF1000』
刊行記念トークショーに行って参りました。
大森氏とSFマガジン編集部のみなさんの掛け合いが面白すぎ。
今回シリーズが復活(新生?)するまでの経緯や、発表されたラインナップからラファティの名が

消えている理由などなど聞きどころたっぷり。

第1回配本の『リヴァイアサン -クジラと蒸気機関-』は少年少女スチームパンク冒険譚。

いまアメリカではスチームパンクが流行っているけど、80年代後半のブームと違い、その殆どはヤングアダルトものだということ。
更に言えば蒸気機関でなくとも『それっぽい』ガジェットならスチームパンクってことになってるそう。

(『リヴァイアサン』も読んでて「スチームパンク?」ってなっちゃう)
宮崎駿の影響が大きいそうです。なるほど。
日本で『リヴァイアサン』が発売されると聞いてアメリカでは「ついに駿が!」と色めき立ったとか。

個人的にはラインナップの選考から落ちた『クラーケン』が気になります。
消えた巨大イカを探す魔法探偵ってなんじゃそりゃ。

2011年12月5日月曜日

バーバレラ

多分10歳ころのある日曜の午後、おやつを食べながらテレビを観ていたら始まったのがこれ。

オープニング、ピンクの宇宙船とピカピカの宇宙服が出てきて

「やったー、エスエフだあー」と思っていたら、
宇宙服の中はバービー人形のような綺麗な金髪のお姉さん。
宇宙船の中をふわふわ漂いながら、服をはがしていってなんと全裸に!
その後もお姉さんがやたらとお洋服をとっかえたり裸になったり、

よく分からないけどなんだかエッチな事をしてたり. . .
天使と一緒に飛んで行くラストシーンで我に返って「何だったんだろう、今の」 子供心にもの凄い衝撃を受けました。
(いま思うと、よく親が最後まで見せてくれたものです。)

タイトルも分からず、ただ『綺麗なお姉さん・天使・悪い女王・エッチ』というキーワードだけが頭に残り続けていた数年後、図書館で借りたSF紹介本の中でこの映画に再会、タイトルは『バーバレラ』あ、お姉さんの名前か。
更に数年後、こんどはレンタルビデオ店で再会。子供の頃とかわらぬ衝撃を受けると同時に気付いたのが、

とてもセンスの良い映画だということ。

その後なんどか観返して、私の中では(ある意味)最高のSF映画です。

2011年12月2日金曜日

夏への扉

『夏』という単語からイメージするのはルソーのジャングル。

前回、ハインラインの名前が出たので『夏への扉』
中学生の頃にSF紹介本で原書の表紙を見て、いっぺんで虜になった。
近未来的な部屋でドアの前に追いつめられている男。脇には背中を丸め怒っている猫。

ドアの先には壁紙のような夏の空。
 

勝手にイメージを膨らませ図書館から借りてみたら、ちょっと思っていたのとは違ったけど
(いまひとつ主人公のダンが好きになれなかった)
『文化女中器』や『窓拭きウィリイ』など魅力的な自動機械が登場し、
冷凍睡眠と時間転位で時間を行き来する物語に夢中になって読み進んだ。

私にとってベストではないけれど、心に残り続けてる小説。
ドアというドアを試せば、必ずそのうちのひとつは夏に通じるという信念は素晴らしく魅力的だ。

2011年12月1日木曜日

Between Planets

このサイト名の ”Between Planets”
直訳すると『惑星間』なんだか心躍る言葉。
惑星間をつなぐ宇宙船や銀河鉄道。
思い浮かべるだけで子供の頃のようにワクワクします。

この言葉からもうひとつイメージするのは、小さな惑星に1人ずつの人たちが住んでいる姿。

(星の王子様のようにね)
私たちの日常もこのようなものかもしれません。
絶望的に遠いこの距離を超えて相手の惑星に届くように、ロケットを飛ばしてるような。
いつかは自由自在に行き来出来るようになるのでしょうか?

アメリカのSF作家、ロバート・A・ハインラインの作品に、このタイトルのジュブナイル小説があります。
『栄光の星のもとに』の邦題で翻訳されていますが、未読。

実のところは大好きなThe Jesus and Mary Chainの曲から取ったのですが。