稲垣足穂『一千一秒物語』の一節から命名されたバンド、ムーンライダーズ。
先月11日満月の日に無期限活動休止宣言を発表し、多くのファンを驚かせた...って、
私もそのうちのひとりですが。
彼らの事を知ってから25年、『居るのが普通』と思い込んでいただけに正直、
どう受け止めたら良いのか戸惑いました。嘘だと言ってよ、って。
そして宣言後に発売されたアルバム『Ciao!』
全ての曲から滲みでる”お別れ”の匂い。でも 嘘でしょ、ね。
そんなもやもやした気持ちのまま17日の中野サンプラザへ。
ロビーや客席での弾き語りから始まったライブ、MCでは活動休止に全く触れないし、
ことさら最後を強調する選曲でもないし感傷的でもない。
ただ、いつものライブより派手な演出(銀テープ・風船・ハートが舞う!)にはしゃぎ、
客席から退場するメンバーを見送った後、ステージ・スクリーンに月と様々な曲から選び出された言葉が
躍るのを見たとき、ああ本当にお別れなんだと悟った。
とても『東京的』な、ライダーズらしいお別れのしかた。
(でもまた会えるでしょ?ね。)